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2012/08/21

はじめての手製本 制作風景

長野工場スタッフの小林です。

美篶堂書籍第一弾『はじめての手製本』の制作発注がありました。
『はじめての手製本』はフランス装製本で仕立てています。
この本は、美篶堂の紹介や製本をはじめて挑戦する方でも分かりやすいように作り方をご説明をしております。

完成までの様子をご紹介いたします!

1、丁合(ちょうあい)
本文をページごとに机に並べ、端から順番に一枚づつ取っていきます。

2、背固め
丁合した本文を板紙ではさみ、背をボンドで固めます。
そして、固めた背を機械で絞めてならします。

4、寒冷紗をつける
5~6冊の本文の背をしっかりと突きそろえ、そこに寒冷紗をつけます。
寒冷紗を貼り付けたあと、さらに網目を埋め込むようにボンドを塗ります。こうすることによって本文を壊れにくくします。また、表紙と本文をしっかりとつなげるための力布となります。


5、切り離し
寒冷紗が乾いたら、5~6冊にまとまっている本文を、ナイフで一冊分づつに切り離していきます。

6、検品
ナイフで切り離した部分が切れてしまっていないか、汚れ、やぶれ、折れあと、ボンドの入り具合、その他もろもろ…を一冊づつチェックします。

7、断裁
断裁機で本文を完成サイズに仕上げ断ちします。

8、栞ひもをつける
仕上げ断ちした本文にボンドで栞ひもをつけます。
ボンドが乾いたら本文の中に栞ひもをはさみ入れます。

9、表紙折り
表紙となる紙を折ります。

まず四つ角を折り、さらに天地左右に折ります。
そして背に来る中央部分に背紙をはります。
これは段差をなくすためです。

10、表紙付け
8の背にボンドを付け、9で折った表紙をボンドで付けます。
天地のチリが均等になるように本文をくっつけます。

11、熱入れ
機械の下から熱が出て、鉄板を温めます。ここに背を押し付け溶かします。
背に付けたボンドが熱で溶け、全体にボンドをいき渡せると、背に浮きがなくなります。

12、見返し折り込み
熱入れをして表紙と本文の背がしっかりくっついたら、見返しを表紙に折り込みます。


13、カバー折り
表紙の上にかぶせるカバーに一箇所折り目をつけておきます。
折り目に合わせてカバーをかけます。

14、カバーをかけます。

15、帯を巻きます。

16、タグを差し込みます。

17、完成!!


『はじめての手製本』はこのようにして何段階にもわたって丁寧に作られます。
早くみなさんのお手元に届くようにと一冊一冊に工場スタッフの情熱がこめられています。

制作のご紹介は以上です。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。


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◆ご本の中でご紹介している製本がキットになって実際に作ることができます。
キット自体には説明書がついておりませんので、『はじめての手製本』をご参考にしてください。

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